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バリアフリー対応のアプローチ設計

バリアフリー対応のアプローチ設計

茨城県で外構工事を手がけるリバーガーデンです。

近年、お客様から「玄関へのアプローチを安全にしたい」「将来を見据えてバリアフリーにしておきたい」というご要望をよくいただきます。

茨城県内でも高齢化が進み、段差をなくしてスムーズに移動できるアプローチの需要が増えているのが実情です。

この記事では、外構のプロであるリバーガーデンが、バリアフリー対応のアプローチ設計についてポイントを絞ってご紹介します。

アプローチをバリアフリー設計にする方法3選

アプローチをバリアフリー設計にする方法3選

アプローチとは、門から玄関までの通り道のことです。

ご高齢の方や車椅子の方にとっては、ちょっとした段差が大きな負担となります。

同様に、ベビーカーで通ったり小さなお子さんが歩くときには、アプローチがフラットでつまずきにくい設計であれば安心です。

バリアフリー方法ポイント
スロープ設計・安全に上り下りできる勾配と幅を確保する
・段差に応じた長さを確保し、自然な動線を考慮する
滑りにくい素材選定・雨天や凍結時に滑りにくい表面テクスチャを選ぶ
・排水性や耐久性に優れた舗装材を採用する
手すりの設置・利用者の体格や用途に合わせた高さと形状を選ぶ
・スロープや階段の始点から終点まで連続して配置し、握りやすい形状にする

毎日使う場所だからこそ、安全面や快適に移動できるかどうかに配慮した設計を行う必要があります。

スロープ設計の基本

スロープ設計の基本

アプローチをバリアフリー化する際に、一番重要になるのがスロープの設置です。

ただ段差をなくせばよいというわけではなく、安全に上り下りできる勾配や幅の確保が、設計のポイントになります。

スロープ勾配の基準

スロープの傾斜が急すぎると、上りづらく下りでの転倒のリスクが高まるなど、非常に危険です。

バリアフリーのスロープを設計する基準として、国土交通省の管轄するバリアフリー法で建築物移動等円滑化基準、建築物移動等円滑化誘導基準が示されています。

勾配比利用対象特徴
1/12一般的なバリアフリー対応補助があれば登れる角度
1/15車椅子の自走利用自力での昇降がしやすい
1/20高齢者にやさしい負担が一番少なく、理想的

バリアフリー法では12cm上がるのに1.44mの距離(勾配比1/12)が最低ラインです。
さらに、車椅子による自力移動では15cm上がるのに1.44mの距離(勾配比1/15)が理想とされています。

例えば、もしご自宅をバリアフリー設計にする場合、アプローチに30cmの段差があれば、1/15の勾配を確保するのに約4.5mのスロープ長が必要です。

スロープ幅の基準

ご家族の中に車椅子の方や、歩行に補助が必要な高齢者、ベビーカーのお子さんがいる場合、幅を十分に確保した、通りやすいアプローチにすることが重要です。

幅の基準対象備考
80cm未満不可車椅子・ベビーカーが通れない
90cm以上最低限必要一人通行がスムーズに
120cm以上推奨サイズ車椅子のすれ違いや介助に対応できる広さ

スロープの幅は、車椅子やベビーカーが通れるように、最小で幅90cm以上を確保しましょう。
また、両側に壁や植木がある場合は、左右に余裕を持たせて1.2m以上にするのが理想です。

滑りにくい素材を選ぶ

滑りにくい素材を選ぶ

スロープや階段で見落とされがちなのが、滑りやすさへの対策です。

雨の日や冬場の凍結では、せっかく段差を解消しても、表面が滑りやすい素材だと転倒してしまう危険があります。

インターロッキングブロック舗装

インターロッキングとは、コンクリート製のブロックをかみ合わせるように敷き詰めた舗装です。

豊富な色や形から自由に選べ、デザイン性の高いアプローチ舗装として多くの現場で採用されています。

インターロッキングの特長内容
滑りにくさ表面に凹凸があり、水はけが良く滑りにくい
メンテナンス性一枚単位で交換が可能。劣化部分だけ修繕できる
デザイン性色や模様を自由に組み合わせられる
耐久性凍結・融解に強く、地域性に左右されにくい

例えば、茨城県の外構工事では梅雨時のぬかるみや冬の霜が問題になりますが、インターロッキングは排水性に優れており、水が溜まりづらく、凍結に強いというメリットがあります。

また、ブロック同士の間に目地があるので、車椅子のタイヤが滑りにくく、ストッパーが効きやすい点が安心材料です。

モルタル洗い出し仕上げ

洗い出し仕上げとは、モルタルに砂利を混ぜた後、表面を洗い流して小石を浮き上がらせる施工方法です。

これまでは和風住宅によく使われてきましたが、最近では現代的な住宅になじみやすく、バリアフリーのアプローチとして採用されるケースが増えています。

また、砂利の色や粒の大きさを変えればデザインの幅が広がるので、バリアフリーとおしゃれさを両立したい方におすすめの素材です。

洗い出し仕上げの特長内容
滑りにくさ表面がザラついており、靴底との摩擦が大きい
景観との調和自然石の風合いがあり、柔らかな印象に
耐候性紫外線や雨に強く、変色しにくい
補修性ひび割れ時は部分補修が可能だが職人技が必要

洗い出し仕上げは施工には専門の技術が必要なので、実績のある外構業者に依頼しないと、見た目や耐久性に差が出やすくなります。

手すりの設置と選び方

手すりの設置と選び方

スロープや階段ではほんのわずかな段差でバランスを崩しやすく、高齢者や足腰に不安がある方にとっては、手すりが命綱です。

そのため適切な素材・形状・高さの手すりを設置し、家族がいつでも手すりに頼りやすい環境を整えておかなければなりません。

手すりの素材と形状

手すりは大きく樹脂製、金属製、木製の3つに分類されます。

素材特徴向いている用途
樹脂製夏は熱くなりにくく、冬は冷たく感じにくい。グリップ力が高いスロープや屋外階段に最適
金属製(ステンレス)耐久性が高く、シャープな印象。ただし夏は熱くなるモダンな住宅外構に合う
木製柔らかく温かみがあり、手触りがやさしい。劣化しやすいナチュラルな住宅外構におすすめ

樹脂製

樹脂製の手すりは、屋外での使用に非常に適しており、最大の特長は、夏場に熱くなりすぎず、冬でも冷たく感じにくいことです。

さらに表面に適度なグリップ感があり、雨の日や湿気の多い環境でも手が滑りにくいという利点があります。

素材自体が軽く、取り付けやすいのは魅力です。メンテナンスが簡単で、色あせや劣化が起きにくい素材です。

金属製(ステンレス)

ステンレス製の手すりは、抜群の耐久性とスタイリッシュな見た目が特長です。

サビに強く、長期間にわたり汚れが目立たないため、メンテナンスの手間が少ない点もメリットです。

ただし、夏場は直射日光で高温になりやすいため、設置場所には注意が必要です。長く使える素材を重視する方におすすめです。

木製

木製の手すりは、手触りが柔らかく、自然素材ならではの温かみがあります。

特に玄関アプローチや庭まわりに使用すると、空間全体にぬくもりを感じさせるアクセントになります。

木製は雨風や紫外線によって劣化しやすいため、年に数回の防腐処理や再塗装といった定期的なメンテナンスが必要です。

将来を見据えたバリアフリー設計のポイント

将来を見据えたバリアフリー設計のポイント

最近では「急に両親と同居になった」「急に体力の衰えを感じた」という理由で、急いでバリアフリー設計を検討される方が増えています。

だからこそ、現在生活に問題がないご家庭でもいざというとき慌てないように、外構工事を行うタイミングで将来を見据えたバリアフリー化計画を立てておきましょう。

バリアフリーの必要性考えるべきポイント
ライフステージの変化・子育て中:ベビーカー対応の幅確保、玄関前の段差軽減
・親同居:スロープ・手すり設置スペース確保
・高齢期:段差なし動線、滑りにくい床材を優先
リフォーム時の注意点・スロープ用余白の確保
・手すり・照明用の下地処理
・屋外から玄関までの動線最適化

ライフステージの変化に対応

ご家族の年齢や暮らし方は、年月と共に少しずつ変わっていきます

現在は子育て中のご家庭でも、将来は親の介護が必要になったり、子どもが独立して二人暮らしになるかもしれません。

ライフステージ想定すべきアプローチ設計
子育て中ベビーカーが通れる広さ・段差の少ない玄関前
親との同居スロープや手すりの設置スペースを確保
定年後〜高齢期段差のない動線・滑りにくい床材を優先

子育て中のご家庭

ベビーカーがスムーズに通行できるよう、アプローチ幅を90cm以上確保し、段差をできるだけ抑えることが大切です。

親との同居をお考えの場合

車椅子や歩行器を想定し、将来幅90cmのスロープや手すりを設置できるスペースをあらかじめ確保しておきましょう。

また、アプローチの段差をなくすか、雨天や凍結時に滑りにくい床材を選べば、歳を重ねても住みやすい家になります。

このように、今のライフスタイルを軸にしつつ、「数年後どうなるか?」を想像して設計し、ムダなリフォームの少ない将来安心できる住まいを実現していきましょう。

リフォーム時の注意点

スロープを後から設置しようした際に、必要な勾配やスペースが確保できず、対応が難しくなります。

段差が高すぎたり、アプローチの構造に余白がなかったりすると、想定していた設計が実現できなくなることも少なくありません。

こうした事態を避けるためには、リフォームの可能性を視野に入れて、あらかじめスロープ設置や手すり取り付けを前提とした計画を立てておきましょう。

注意すべきポイント内容
スロープ用の余白敷地に勾配スペースを確保する
設備用の下地処理将来的に手すりや照明を取り付けやすいよう、基礎を準備
動線の見直し屋外から玄関までをスムーズにつなげる配置を検討する

加えて、段差の位置や玄関ポーチとの接続部分や、すでにある設備との干渉など、細かな施工条件は設計の段階から考えておくことが重要です。

とくに後付け工事は、既存構造に制限されるため、思い通りの動線が確保できない場合があります。

そのため、初期段階で外構のプロと相談しながら、必要に応じて配管・照明・構造補強の下準備をしておくと、将来的な施工がスムーズに進みます。

安心・快適なバリアフリーなアプローチを実現するために

安心・快適なバリアフリーなアプローチを実現するために

玄関までのアプローチは、毎日の生活に欠かせない空間です。

将来のライフスタイルを意識し、勾配の緩やかなスロープや滑りにくい素材をしっかりと取り入れておけば、長く安心して使い続けることができます。

こうしたバリアフリー設計を行う際、見た目や素材の選び方、配置バランスに迷ったら、外構のプロにアドバイスを求めるのが確実です。

茨城県で外構工事を手がけるリバーガーデンでは、「今は必要ないけど、いずれに備えたい」というご相談に、お客様の暮らし方や将来を見据えた安心・快適なアプローチ設計をご提案しています。

これからバリアフリー化を考えたい方や、現在のアプローチに不安を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。